気づきは、調香の入口
はじめてアロマや調香を学ぶとき、いちばん不安なのは「何が正解か」が分からないことかもしれません。センスや才能の話になりがちですが、私はもっと簡単なところから始めていいと思っています。香りは、急いで“答え”を作ろうとすると遠のくけれど、丁寧に向き合うと、ちゃんとこちらに近づいてくるもの、と思うのです。
今日は、迷い子にならないための大切なポイントを3つだけ。手順というより、香りと仲良くなるための“入口”の話です。
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1)嗅ぐ
まずは、香りを情報から「分析」する前に、受け取ること。深呼吸をひとつ。10秒で十分です。強い・弱い、軽い・重い、冷たい・あたたかい。輪郭だけでいい。香りとの距離が近づきます。
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2)気づく
次に大切なのは、上手に言い当てることより、変化に気づけることです。もう一度嗅いでみて、心の中で問いかけます。
「何が変わった?」
明るくなった/丸くなった/奥行きが出た近づいた/遠のいた/呼吸が楽になったそんな小さな気づきが、次に選ぶ精油の“きっかけ”になります。気づきは、短いメモでも、断片でも大丈夫。集めるほどに、香りは分かりやすくなります。
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3)混ぜてみる
香りは本来、「全体の調和」で決まります。だから、まずは混ぜること。何が何と組み合わせたら良いのか、、と考えがちですがもっと自由に。ただ、はじめのうちは情報が多いほど迷いやすいので、混ぜるときにはひとつだけ意識してみてください。
「すっきりした?なんとなくごちゃごちゃした?」
あれこれ混ぜて香りが濁ったなら、要素が重なりすぎた合図かもしれない。香りが整ったなら、今の組み合わせは良いのかも。混ぜるたびに一度席を離れて、あらためて嗅いでみてください。俯瞰して、「この香りどうかな?」を繰り返すと、精油選びが少しずつ自分のものになっていきます。
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香りの学びは、派手な正解を探すより、静かな気づきを集めること。嗅ぐ。気づく。混ぜる。この3つが回り始めたら、もうちゃんと前に進んでいます。大丈夫。
次回は素材探しから始まった、日本全国に足を運ぶプロジェクトについて書きたいと思います。
代表理事 齋藤智子